2020年8月25日

HH役得:木彫「少女像」写真

7/12「HH会オールスターズ土方久功の魅力を語る」の最後に、質問とともに登場し、会場騒然となった作品の写真です。所蔵は「吉田謙吉・資料編纂室」、作品は重いので、ほぼ同寸の写真をお持ちいただきました。吉田謙吉(1897-1982)は、舞台美術を中心に考現学採集、装幀、文筆業など多彩なジャンルで活躍した人物で、土方与志の模型舞台研究所(築地小劇場の前身)時代から土方久功とも親交がありました。

土方久功研究者の清水久夫さんにも確認していただきましたが、今までの回顧展で展示された記録はなく(生前の個展などで展示された可能性は否定できませんが)、新発見の木彫作品と言ってよいでしょう。似たようなモチーフの作品もないではありませんが、非常にユニークかつ魅力的な作品だと思いました。裏側には「少女像(サタワル島にて)」と書かれた土方自筆の紙が貼ってあり、大きさは(約)47.5×33.5cmだそうです。
お話によると、吉田家(12坪の家)に掛かっていたものだそうで、いただいた本『父・吉田謙吉と昭和モダン― 築地小劇場から「愉快な家」まで』にも写真が出ています。いやあ、こういう発見が、回顧展を企画する妙味というか、役得ですね。
リンク:塩澤珠江『父・吉田謙吉と昭和モダン 』2012年(草思社)
http://www.soshisha.com/book_search/detail/1_1877.html
リンク:ギャラリー季の風(「吉田謙吉・資料編纂室」準備中)
http://www.tokinokaze.com/