企画名:GMFアート研究会 第3期:〈身体〉はいかに〈わたし〉であるのか
第3回:7月23日(土)14:00~16:00
テキスト:アントナン・アルトー著『演劇とその分身』(白水社 1996年 安藤信也訳) *比較的入手しやすいものでは、河出文庫(2019年、鈴木創士訳)があります。
内容:「序―演劇と文化」「演出と形而上学」「バリ島の演劇について」「東洋演劇と西洋演劇」「演劇と残酷」「残酷の演劇(第一宣言、部分)」「残酷についての手紙(第一)」
参加費:各回1,000円(資料代、会場代込)
第2回では、鷲田清一『モードの迷宮』第3章から、「身体」というものが極めて制度的に成り立っており、社会的な規範や他者の視線によって、見られる存在として正しい「身体」が生み出されていく構造を考察していきました。そして、その「身体」の内側にあるはずの「わたし」も、「〇〇なわたし」として外部からの承認を得ることで「わたし」というアイデンティティが形成されているということ、つまり、常に「わたし」になろうとすることで、わたしは「わたし」を認識しているのだという主張を同書から読み取っていくことができました。
しかし、この抑圧から抜け出ていくような「身体」、「わたし」もあるはずです。むしろ、生きているという実感は、その枠組から溢れ出していくものの中にこそ感じられるかもしれません。第3回目では、身体の生を表現する演劇を主張し、現代演劇に影響を与えた演劇家アントナン・アルトーを取り上げます。(木村拓也氏)